薬物に手を出すきっかけは何が多い?その理由は?
そもそも、薬物に手を出すきっかけが
なければ薬物依存や薬物犯罪は
起こり得ませんよね。
また、多くの方が薬物の危険性を知っている
はずですが、どのようなきっかけで
薬物使用を経験するのでしょうか。
平成30年の警察庁の調査によると、
大麻を使用した経緯を「誘われて」と
回答した20歳未満の割合は86.1%、
20歳代では77.9%という結果が出ました。
また、下のグラフから、初めて使用した
年齢が若いほど、「好奇心・興味本位」で
使用する比率が高いことがわかります。
出典:警察庁
また、着目していただきたいのは、
30歳代、40歳代、50歳と年代が上がるほど
「ストレス発散・現実逃避」を目的に
使用し始める割合が高いことです。
若い世代が興味本位で大麻に手を出す傍ら、
年代が上がれば上がるほど、
目的意識を持って大麻を
使用していることが分かります。
また、覚せい剤の再犯率は
13年連続で増加傾向。
令和元年は66.3%です。
その中でも50歳以上が83.1%、
40~50歳未満が73.6%と
高齢者の再犯率の割合が高いことが
特徴となっているそうです。
●覚醒剤事犯の再犯率(令和元年)
出典:令和元年組織犯罪対策に関する統計(警察庁)
この2つのグラフから、「ストレス発散や現実逃避」
という目的意識をもって薬物を使用する
高齢者の依存度がより高い傾向にあると
言えると思います。
薬物依存のメカニズムは?性格や意志の弱さが原因?
薬物を使用すると、一時的に元気が出て
気分がよい状態が作り出されます。
すると、そうした効果を求めて短期間に
「また使いたい」とか「もっとたくさんの量を試してみたい」
と感じたりするようになります。
こうして使用を繰り返すと、コントロール喪失が悪化し、
健康面や経済面などの問題が生じながらも、
やめることが難しくなります。
ここで大切なのは、この時点で脳内の薬物への
欲求を調整するメカニズムに問題が生じていて、
薬物をやめられないのは「依存症」という
疾患の症状であることを理解することです。
つまり、依存症の原因は、性格や意志の弱さではなく、
薬物に手を出したことで、
薬物の強烈な快感が脳に刻まれてしまい、
脳が支配されてしまったためということです。
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